極寒の朝に咲く奇跡の花、フロストフラワーを知っていますか?それは、厳しい冬の阿寒湖で、特定の条件のもとでしか現れない現象。幸運にもそれを見ることができた人は、ちょっと自慢してもいいでしょう。
フロストフラワーの開花条件は、最低3つ
フロストフラワーとはその名の通り、凍り付いた湖の上で水蒸気が一面の花畑のように結晶する現象で、別名「霜の花」とも「冬の華」とも呼ばれます。この奇跡の花が咲くための最低条件は、次の4つ。
①結氷した湖面に雪が積もっていないこと
②薄氷であること
③気温マイナス15度以下の極寒であること
④ほぼ無風であること
雪と、氷と、気温と、風と、この4拍子揃ったその時、その場所。気まぐれな天気が相手ではかなり難しい条件であることが分かります。しかし、そんな瞬間に高い確率で出会えるのが阿寒湖なのです!
儚くも美しい、自然のアート
フロストフラワーは、羽のような氷の結晶がバラのように幾重にも折り重なってできています。発生条件によっては一枚だけの結晶になることもあり、それは「フロストウイング」または「エンゼルフェザー」呼ばれます。そのひとひらはガラス細工よりも繊細で、純粋無垢な美しさ。まさに自然が生み出したアートです。しかしながら、この花は息を吹きかけただけで一瞬で溶けてしまうほど壊れやすい花。無風という条件もこの壊れやすさが理由ですが、儚いゆえに美しいのがフロストフラワーという奇跡なのかもしれません。
どうしても見たいという人のために
青い湖面に広がる、ガラス細工のようなフロストフラワーの花畑。青と白のコントラストが織りなす、希少な絶景です。ぜひ見てみたいという人は、12月~3月の厳冬期に阿寒に連泊し、地元のツアーに参加することをおすすめします。薄氷の上でしか発生しないことと、氷の下湖底から温泉が湧き出る箇所があり、見た目ではわかりませんが氷を踏み抜き湖に落ちてしまう可能性があるため、単独でフロストフラワーを探すのは非常に危険です。ツアーでは、経験に基づいて安全にフロストフラワーの発生条件が高い場所へ案内してくれるので、見られる可能性が高まります。もちろん日の出やダイヤモンドダスト、霧氷などの絶景にも出会えるはずです。
※湖氷の厚さや温泉の湧き出る箇所は、変わる危険性がございます『前回ガイドと一緒に歩いて場所はわかっているから』などと考え、ガイドをつけずに湖氷の上を散策することは大変危険ですので、必ず現地ツアーにご参加の上観照してください。