映画｢挽歌｣のロケ地は幣舞橋と釧路川河畔がメイン
故原田康子さんの代表作、1956年出版の小説｢挽歌｣には、象徴的な場所がいくつか出てきます。主人公の怜子がたびたび訪れる珈琲店｢ダフネ｣や、怜子が恋する桂木の妻が不倫相手と逢瀬を重ねる｢ロッテ屋敷｣などがそうですが、いずれもそことはっきり分かるようには書かれていません。
一方、映画｢挽歌｣(1957年公開)では、釧路のロケ地がほぼ正確に伝えられており、今も往年のファンらに親しまれています。たとえば、主人公怜子と桂木が初めて出会うシーンは、浦見町と南大通を結ぶ｢相生坂｣がロケ地。そして桂木の建築事務所となったのは、釧路センチュリーキャッスルホテルの南側あたりにあったビルの2階でした。そして映画版｢ダフネ｣のロケ地も、末広町・栄屋旅館の裏手あたりにあった喫茶店だといわれています。
桜木紫乃原作の映画・ドラマロケ地は幣舞橋、和商市場、釧路駅など。
直木賞作家、桜木紫乃さんの作品も釧路を舞台に映画化やドラマ化がされています。2015年2月よりＷＯＷＯＷで放送された｢硝子の葦｣では、相武紗季さん演じる主人公節子らが、釧路市若松町の鉄北センターで母親のスナックを訪れるシーンなどを撮影しています。
桜木作品初の映画化となった｢起終点駅 ターミナル｣(2015年公開)でも、釧路市の風景がたっぷりと描かれています。主演の佐藤浩市さんが演じる国選弁護人・鷲田完治がひっそりと暮らす家は、釧路市益浦の坂道沿いに建てられていました。また完治が釧路名物、ザンギを作るため、よく鶏もも肉を買いに立ち寄ったのは和商市場内の｢吉岡肉店｣。鶏もも肉の袋を下げて、夕暮れの幣舞橋を歩く完治の姿はいつも寂しげでしたが、ラストが撮影された釧路駅ホームの｢始発｣シーンは感動的でした。
テレビドラマ｢氷の轍｣(2016年放送)でも、主演の柴咲コウさんが｢柳町スピードスケート場｣でスケートをするなど、釧路の風景がいくつも映されています。
映画｢ハナミズキ｣紗枝の家は、音別町尺別で今も保存されている。
映画｢ハナミズキ｣(2010年公開)でも、｢出世坂｣など釧路市内のロケ地が数々登場しています。そして主人公・紗枝(新垣結衣)の家として撮影されたのが、釧路市音別町尺別にある海辺の民家。挫折を乗り越えた紗枝と康平(生田斗真)がここで再会するラストが感動的でした。
釧路市阿寒町にもある映画ロケ地。｢狙った恋の落とし方｣｢許されざる者｣
中国映画史に残る大ヒットとなった｢非誠勿擾｣は、日本でも｢狙った恋の落とし方。｣(2010年日本公開)のタイトルで話題になりました。釧路市阿寒町の阿寒湖温泉がロケ地となり、｢あかん鶴雅別荘 鄙の座｣のスイートから主演のシャオシャオが眺めるシーンは美しくてうっとり。そして笑いが巻き起こる｢いざかや四姉妹｣は｢炉ばた浜っ子｣で撮影されています。
また映画｢許されざる者｣(渡辺謙主演・2013年公開)と、NHK大河ファンタジー｢精霊の守り人｣(綾瀬はるか主演・2016年放送)は、いずれも阿寒湖温泉の奥にある｢光の森｣でロケが行われ、自然豊かで幻想的なシーンが話題となりました。
・幣舞橋/釧路市北大通１ ＪＲ釧路駅より徒歩約15分
・相生坂／釧路市南大通7丁目付近 JR釧路駅からくしろバス①たくぼく線にて約5分。「浦見4丁目」下車
・釧路センチュリーキャッスルホテル／北海道釧路市大川町2-5 ＪＲ釧路駅より徒歩約15分
・栄屋旅館／釧路市末広町2丁目4 ＪＲ釧路駅より徒歩約15分
・鉄北センター／釧路市若松町 ＪＲ釧路駅より徒歩約15分
・釧路市益浦／ＪＲ釧路駅からくしろバス 53晴海線にて約20分。「益浦」下車
・和商市場・吉岡肉店／釧路市黒金町13丁目25 ＪＲ釧路駅より徒歩約5分
・JR釧路駅／釧路市北大通14丁目5
・柳町スピードスケート場／釧路市 柳町１－１ ＪＲ釧路駅より阿寒バス６６昭和線にて約10分。「赤十字病院通」下車
・出世坂／釧路市幣舞町 ＪＲ釧路駅より徒歩約15分
・紗枝の家／釧路市音別町尺別。ＪＲ釧路駅より根室本線普通列車にて約1時間20分。「JR尺別駅」下車から徒歩約4分
・北海道立釧路芸術館／釧路市幸町4-1-5 ＪＲ釧路駅より徒歩約15分
・栄町平和公園／栄町6 ＪＲ釧路駅より徒歩約1０分
・あかん鶴雅別荘 鄙の座／釧路市阿寒町阿寒湖温泉2-8-1 ＪＲ釧路駅より阿寒バス㉚阿寒線にて約1時間50分。「阿寒湖温泉」下車
・炉ばた浜っ子／釧路市阿寒町阿寒湖温泉1-1-21 ＪＲ釧路駅より阿寒バス㉚阿寒線にて約1時間50分。「阿寒湖温泉」下車
・光の森／釧路市阿寒町ＪＲ釧路駅より阿寒バス㉚阿寒線にて約1時間50分。「阿寒湖温泉」下車
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